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史上最大の生物  シロナガスクジラ

シロナガスクジラとは?

史上最大の生物として有名なのが、このシロナガスクジラです。想像してみて下さい。全長33.5メートル、重さ190トンの巨体を。あんなに背の高いキリンでさえ高さ5メートルですから、シロナガスクジラのその大きさは尋常じゃありません。重さにすると、お相撲さん千数百人分にもなります。こんな巨大な生き物が自由に暮らせることを考えると、海の大きさ、懐の深さを改めて感じます。遙か遠い海の彼方で、今も、このとてつもなく大きい地球のヌシが、広い大海原を悠々と泳いでいるのです。

偉大なる巨身シロナガスクジラ

46億年の地球の歴史の中において最大の大きさを誇るシロナガスクジラ。1999年までに記録された最大の個体は全長33.5メートル、重さ190トンにおよびます。とはいえ、ここまで大きく成長するシロナガスクジラは稀で、通常はメスで27メートル、オスは25メートルくらいのようです。特に南半球に生息するシロナガスクジラは巨大に成長しますが、南半球には小型の亜種であるピグミーシロナガスクジラも生息しています。身体だけでなく頭の大きさも史上最大で、大量の海水ごと主食のオキアミを吸い込み、一日あたり約4トンも食べます。シロナガスクジラは赤ちゃんのうちからすでにスケールがケタ外れで、生まれたばかりでいきなり7~8メートルもあり、体重が1日に90キロづつ増えていくという猛烈なスピードで成長していきます。子の世話はメスだけで行います。なお、シロナガスクジラは身体は大きいですが、背びれは小さく、35センチほどしかありません。ちなみにナガス(長須)とは江戸時代の言葉で長身の意味です。青みがかった灰白色の体から英語圏ではブルーホエールと呼ばれています。

シロナガスクジラの体のひみつ

クジラの仲間は声によるコミュニケーションがよく知られています。そしてシロナガスクジラもその大きな体からクジラ類で最も低周波の声を出しますが、その声で遙か遠くの仲間にメッセージを送ると考えられています。その伝達距離は実に約150キロ!とてつもない大声で知られるホエザルの声の伝達距離が約3キロだと言うことを考えると、その途方もない凄さがわかります。ただしシロナガスクジラのコミュニケーションについては詳しいことはわかっていません。ちなみにシロナガスクジラの場合、聴覚には優れますが、視覚と嗅覚には鈍感なようです。寿命も人類を除くと哺乳類としてはずば抜けていて、軽く100年以上は生きると言われています。また、シロナガスクジラの泳ぐスピードはかなり早く、最高で時速48キロにも達するとのことです。さらに比較的潜水力もあり、500メートル程度は潜れるようです。その巨体を維持するためには強靱な心臓が必要であろうことは容易に想像できますが、なんと心臓の大きさは軽自動車くらいの大きさで、10トンもの血液をくみ上げるのだそうです。温度変化にも強く、熱帯から極海まで世界中の海を旅します。かつては四国沖でも捕獲されたらしいですが、残念ながら今ではもうほとんど見かけることはないとのことです。

圧倒的な大きさと強靱な身体、そして数々の優れた能力を持った偉大なる生命シロナガスクジラ。彼らもまた、絶滅の危機に瀕しています。彼らがいつまでも暮らせる地球であって欲しいと願ってやみません。果てしなく遠い海の彼方、激しい荒波をものともせずに世界の海で旅を続ける彼らに、しばし思いを馳せてみたいと思います。(S.HONDA)

シロナガスクジラのプロフィール

 データ  
 学名  Balaenoptera musculus
 分類  クジラ目 ヒゲクジラ亜目 ナガスクジラ科
 全長  33.5メートル
 体重  190トン
 分布  世界中の外洋に点在