フィールドスコープの種類と選び方

観察用品「フィールドスコープ」

フィールドスコープは遠くにいる野鳥や動物を観察するのに極めて大きな威力を発揮します。なかでも最近はデジカメとフィールドスコープを組み合わせて野鳥の写真などを撮影するデジスコが多くの人々に楽しまれていますが、この方法であれば自然の中に暮らす動物でも、お互い安心して観察することができますし、野鳥などの自然な姿を撮影するにも最適です。ところで光学機器は粗悪なものを使うと大切な目を痛めますので信頼のおけるメーカーの製品を選ぶことが大切です。ここでは初めての野外観察でも比較的簡単に扱えるフィールドスコープの特徴をみていきたいと思います。

フィールドスコープでの観察に適した被写体

フィールドスコープでは特に次のような被写体の観察がオススメです。

野鳥

フィールドスコープで観察するのに最も適しているのが野鳥です。近づくと飛んでいってしまう野鳥を観察するには、フィールドスコープなり、双眼鏡なり、なんらかの光学機器があれば、その楽しみはグンと膨らみます。野鳥は種類を選ばなければ比較的容易に見つけることができますから、初めての観察にはまさにうってつけと言えます。ただし鳥を観察する場合は、空中を滑空する猛禽類などを狙って夢中になるあまり、うっかり太陽を覗いてしまわないようくれぐれもご注意下さい!

動物

フィールドスコープは動物園での観察にも大きな威力を発揮します。すみっこにいる動物もフィールドスコープがあれば大接近することができるでしょう。動物園で使う場合は持ち運びに便利な小型のフィールドスコープが便利です。

なかなか近づいてくれない野生動物の観察にもフィールドスコープはうってつけです。時には高い木の上になどに、パッと眺めただけではわからない思わぬ動物を発見することだってあるかもしれません。気付かず見逃してしまうはずだったもの、それを見せてくれるのが、フィールドスコープなのです。

フィールドスコープの種類と選び方

光学機器にはそれぞれに優れた特徴がありますので、野外観察を十分に楽しむためには目的にあわせて選ぶことが大切です。フィールドスコープを購入する際、選びかたのポイントとしては、まずは倍率があります。初めての場合ですと、つい倍率が高い方が性能が良さそうに思えてしまうかもしれませんが光学機器を倍率だけで選ぶのはよくありません。倍率が高くなるほど、像は暗くなり、ちょっとした手ぶれでも被写体が視界からいなくなってしまったりして観にくくなるからです。

光学機器を選ぶ際に最も重要なのは対物レンズ(外側のいちばん大きなレンズ。覗く側の小さなレンズは接眼レンズと言います。倍率を変えたいときは接眼レンズを取り替えます)の口径です。口径の大きさが光学機器の性能を決めると言っても過言ではありません。レンズが大きければ大きいほど、倍率を高くしても明るく鮮明に観ることができるからです。ただし口径が大きくなれば一段と大きく重くなります。バランスを考えると望遠鏡では倍率は100倍くらいまでで口径が50ミリ以上のものが適しているでしょう。

大口径タイプ

明るく鮮明な像を楽しめる大口径タイプがあればフィールドスコープによる観察を心ゆくまで楽しむことができます。反面、大きく重いため、徒歩での移動にはそれなりの体力を要します。ですからこういった高級なタイプは車での移動を前提にした場合や、希少動物を遠くから観察したい場合、庭に来る小鳥の観察といった使用に向いています。各社から様々な機種が発売されていますが、野外観察であれば防水性や耐久性に優れたビクセン社のジオマプロEDシリーズや、ニコン社の最高機種フィールドスコープEDシリーズが扱いやすいでしょう。フィールドスコープには正面から覗く直視型と、天体望遠鏡のように上から覗く傾斜型がありますが、傾斜型なら一台でちょっとした天体観測も楽しめますし、直視型ならデジカメや一眼レフと接続すれば、高性能デジスコとしても大活躍してくれるでしょう。

小型軽量タイプ

機動性に優れた小型のフィールドスコープなら、近場で気軽に楽しんだり、旅行のついでに観察するのにもってこいです。組み立ても手間いらずで、装備も軽く、人のにぎわう休日の公園で使ってもスマートです。三脚も小さなものが使えますから持ち運びの便利さは言うまでもありません。30倍くらいの接眼レンズで、池の水鳥や、動物園での観察など、工夫次第でその楽しみもグンと広がります。安価で軽量なビクセン社のジオマED50-Sや防水性と防塵性に優れたニコン社のフィールドスコープED50などは、性能はもちろんのこと、優れたデザインで人気を集めています。

思い切り楽しむための一台

大口径タイプにするか小型軽量タイプにするかは悩みどころですが、歩いて持ち運ぶ機会が多いのであれば小型軽量タイプを選ぶべきでしょう。とにかく持ち歩くのが面倒になって、しまったままになってしまえば、どんなに優れた機種であっても全く意味をなしません。フィールドスコープは飾り物ではありませんから、高価であっても安価であっても、とにかくどんどん使ってみることが大切です。初めてのフィールドスコープを選ぶのであれば、カタログに記載されている実視界やひとみ径といったスペックはひとまず置いておいて、使っている自分をイメージしながら一番使い勝手がよさそうな機種を選びましょう。

フィールドスコープが縮めてくれる野生動物との距離

フィールドスコープや双眼鏡があれば生き物たちとの距離がグッと近づきます。野生動物が安心して過ごせる距離を保ちながら、そのリラックスした光景と出会うのにも、フィールドスコープは大きな力になってくれることでしょう。レンズの向うに広がる、新鮮な驚きと感動の世界を、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。


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